多くの地域で緊急事態宣言が解除され、日本もいよいよ経済活動再開に向けた動きが本格化しようとしています。
しかし、今後、特別定額給付金等によってある程度の生活を維持できたとしても、以前と同様の収入を回復するのは難しいかもしれません。
これまでは一定の収入あるいは逓増する収入をベースにライフプランを検討することが一般的でしたが、収入減を見込んだライフプランの再検討が必要となるかもしれません。
そこで、アフターコロナを見据えたうえで4つのポイントに着目して保険の見直しを検討してみましょう。
目次
1. 将来的な収入見込み額の減少
公務員でもなければ、私たちの収入は絶対とはいえません。
昨年までと比べてより不安定になってしまったことは否定できないはずです。
場合によっては保険料支払いを減らし、住宅ローン支払いが滞った場合の原資として残しておく方法も考えられます。
将来の不安に備えるための保険ですが、そのために数か月後、数年後の家計負担を招いてしまっては本末転倒です。
もちろん、自動振替貸付として契約を継続しておく方法も考えられます。
ただし、今支払わなかった保険料は、後で利息を付けて支払い直さなければなりません。
「数か月後には必ず保険料を支払うことができる」という自信がないのであれば、「早々に解約して解約返戻金を受け取ってしまった方がよかった」という事態も想定されます。
2. 健康状態
保険を解約してしまうと保障がなくなってしまいます。
健康状態に不安のある人は、自動振替貸付等を利用して契約を維持した方がよいと考えられます。
貯金を切り崩してでも契約を続けた方がよいという場合もあるのです。
ただし、今回の新型コロナウイルスによる肺炎発症に関しては、糖尿病等、基礎疾患の有無の影響が大きいとも言われています。
自粛生活によってまったく新型コロナウイルスに近寄らなかったという人もいるかもしれませんが、私たちはある程度の感染リスクにさらされていたと考えてもおかしくないはずです。
感染リスクにさらされていたなかでも生き残ることができた私たちは、健康状態にある程度の自信をもつことができるかもしれません。
そのような点を勘案したうえで、保障内容を見直してみるのもよいと言えます。
3. 家族関係
長い自粛生活によって家族関係が深まった人もいれば、「コロナ離婚」という言葉が生まれたように、ドメスティックディスタンスが近づき過ぎて関係が悪化した家族もいるかもしれません。
離婚とまではいかなくても「この人に死亡保険金を渡したくないな」と感じた場合には、受取人を変更することも考えられます。
急いで受取人変更の手続きをしなくても、遺言書によって変更することも可能なので、これを機に遺言書の見直しを行うことも一考です。
4. 手元資金確保の必要性
経済活動の停止によって収入が一時的に激減する事態が起こり得ることも明らかになりました。
平時であれば預貯金が数十万円程度あれば不意の出費に耐えられるという人でも、今回のようなケースでは数百万円の手元資金を必要としたかもしれません。
特別定額給付金等よる救済制度も発表されていますが、いまだに手に届いていない人がほとんどです。
もちろん、保険を解約して手元資金を確保するという方法もありますが、解約控除によって損をしてしまうことを考えると、最初から預貯金や現金で手元に置いておく必要性が高まったとも考えられます。
以上の点を勘案し、保険だけではなく、預貯金や投資信託を含め、余裕時間を有効活用して資産全体の見直しに着手してみましょう。