「住宅を購入したら生命保険は不要」という意見を聞いたことはありませんか。
住宅ローンを組んで住宅を購入すると、団体信用生命保険に加入するため、これまで加入していた生命保険は不要と感じている方もいらっしゃるようです。
住宅を購入したからといって生命保険が不要になるわけではありませんが、保障の見直しは必要な場合があります。
特に未成年のお子さんがいらっしゃるご家庭の場合は、慎重に保障を選びましょう。
今回は、住宅ローンを組んで住宅を購入した場合の生命保険について解説します。
目次
住宅ローンを組んでも生命保険が必要な場合がある
住宅ローンを組んで団体信用生命保険に加入しても、生命保険が必要な場合がある理由は、団体信用生命保険が「死亡時にローンの残債がゼロになる保険」に過ぎないからです。
つまり、残された家族は住宅ローンの返済をしなくて良くなるだけです。
以下のようなお金は、引き続き必要です。
・ 今後の生活費や子供の教育費
・ マンションに住んでいる場合は管理費や修繕積立金、駐車場代
・ 戸建て住宅の場合は将来の修繕に備える資金
亡くなった方に家族がいる場合は、遺族年金が支給されるためある程度の生活費はカバーできます。
しかし遺族年金の額は個人によって異なるだけでなく、残された家族が生活していくだけの十分なお金が支給されるとも限りません。
住宅を購入しても、遺族年金や配偶者の収入などから、残された家族の生活費などを引いてマイナスになる場合は、生命保険に加入しておく必要があります。
例えば、残された家族の生活費が住居費を除いて月35万円、遺族年金と配偶者の収入が25万円の場合、毎月10万円の赤字となり、定期保険や収入保障保険などで補う必要があります。
住宅ローンを組んだ場合は加入している保険の見直しは必要
住宅を購入した場合は、すでに加入している生命保険を見直してみましょう。
特に死亡保障額を、残された家族の住居費(家賃)を考慮して算出していた場合は、その分だけ死亡保障を削れる可能性があります。
また、加入している団信の保障範囲が、死亡や三大疾病(がん・心筋梗塞・脳卒中)などの場合、三大疾病以外の病気やケガで働けなくなったときや長期療養をした場合、団信では保障されません。
入院した場合や働けなくなった場合のローン返済に備えて、必要に応じて医療保険や就業不能保険などへの新規加入、見直しを検討しましょう。
賃貸の場合は、引っ越しをすることで家賃負担を下げられる可能性もあります。
しかし住宅ローンを組んで家を買った場合は簡単に引っ越せません。
家を売却してもローンが残ってしまう可能性もあるので、慎重に保障を用意する必要があります。
家族と相談のうえで必要な保障を準備しましょう
保障を決めるときは、必ず家族間で話し合って決めることが大切です。
住宅を購入する時は、残された家族の生活費がいくら必要で、遺族年金と配偶者の収入で生活していけるかどうかを確認しましょう。
住宅を購入する人、あるいは購入した人は、ぜひ一度ご自身の保障の過不足がないか確認してみてください。