コロナ薬関連銘柄 初期段階での期待先行型投資「医薬品業界」

 
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新型コロナ禍にあって経済活動が再開された国も出てきましたが、投資の世界ではコロナショック後に期待する注目テーマが絞られてきました。

その1つが、コロナ感染症の薬です。

まだ全貌が見えておらず、特効薬もないこの感染症に対し、日本でも注目企業が現れてきました。

医薬品業界は1つ当てると株価が大化けすることが多く、初期段階での期待先行型投資が必要となります。

研究から臨床、治験、承認と複数の段階を経て実用化されるコロナ薬のうち、2つの分野から日本企業の有望株を探索したいと思います。

目次

コロナ薬における日本の注目企業

新型コロナウィルスは未知の感染症であり、この感染症に

1. 直接効く特効薬となる新薬開発

2. 感染前の予防あるいは重症化軽減となるワクチン開発

の2つが待たれるところです。

ただどちらも開発には年単位の期間が必要であり、それまでの間は

3. 既存薬で治療効果があるものを転用して活用する

こととなります。

ここでは既存薬の転用とワクチン開発の分野で、有望株をご紹介しましょう。

既存薬の転用関連

既存薬を転用する最大のメリットは承認済医薬品のため、副作用や服用方法など活用方法がその分野で確立していることが挙げられます。

ただしコロナウィルスへの効果は治験段階のものが多く、世界では650以上の治験が登録され、症状や年齢などに応じたデータが集められています。

その中でも有効と言われている3つの既存薬から、有望株をご紹介します。

【レムデシビル】米国:ギリヤド・サイエンシズ社(商品名:ベクルリー)

・ エボラ出血熱治療薬であるレムデシビルを米国がコロナウィルスへの治療薬として承認、日本でも薬事承認された第一号治療薬。

・ この点滴薬剤は今年10月までに50万人分供給可能と発表されているため、重症化した全体の2割に相当する感染者向け限定となる見込み。

・ なおレムデシビルはコロナウィルスのRNA増殖を抑える効果はあるが、特効薬ではないため重症化を抑え自然治癒を待つ治療法に使われる。

米国製であり、恩恵を受ける国内企業は少ないが独占権をもった企業への短期集中型の業績アップ期待あり

(4367)広栄化学工業

レムデシビルおよびアビガンの原料を供給している国内唯一の化学品メーカー、住友化学の子会社で、ギリヤド・サイエンシズ社との直接契約も決まり、既に株価倍増の水準です。

業績への反映はこれからで大化け期待あるが、東証二部の時価総額150億円規模で売買高が少ないため、投資は少額かつ慎重にしてください。

【アビガン】日本:富士フイルム(一般名:ファビピラビル)

・抗インフルエンザウイルス薬として国内でも薬事承認済の薬で、錠剤200万人分の備蓄を予定している日本では本命の転用薬。

・現在は厚労省研究班に指定された病院でしか投与されていないが、コロナウィルスへの治療薬として承認されれば国内供給量も確保されており、初期段階の感染者にも幅広く使用されると期待されている。

日本発の治療薬であるが新薬ではなく、増産により恩恵を受ける国内企業に中長期に渡る業績アップの期待あり

(4901)富士フイルム

アビガンは同社100%子会社の富士フイルム富山化学が製造元で、事務機器部門とヘルスケア部門の2本柱が安定し、営業利益過去最高を更新中です。

日経平均株価にも採用されている時価総額2.6兆円の大型株、大化け期待はないが増配継続中かつ配当利回り1.9%程度の中長期投資に適している銘柄です。

【フサン】日本:日医工(一般名:ナファモスタッド)

・急性膵炎治療薬であるフサンは、東京大学医科学研究所がコロナウィルスへの効果が期待できると発表。

・タンパク質分解酵素を抑えることで、コロナウィルスの増殖を抑える点滴薬。

ウィルスへのアプローチが上記2薬と異なり、現在の臨床試験から治験へ進むと株価上昇の期待あり

(4521)日医工

富山県本社の後発薬(ジェネリック)メーカーで、フサンの製造元であり、アビガンについても「薬都とやまアビガン増産緊急支援事業」に参加し両方の恩恵が期待できます。

海外企業買収等で利益低迷していたが、5年ぶりの株価水準になれば3倍増が期待できる銘柄です。

ワクチン製造関連

ワクチンは感染前に接種することで、免疫力を付け感染予防および重症化を抑える医薬品です。

来年春頃までに完成しないと、東京オリンピックも開催できないかもしれないほど、重要かつ株価にもインパクトのある薬です。

承認まで複数の段階がありますが、初期段階での期待先行型投資が最も効果的な分野です。

日本でも複数のプロジェクトが進んでいますが、当たれば大きい有望株をご紹介します。

(4974)タカラバイオ

大阪大学発のバイオ企業アンジェスのプロジェクトにおけるワクチン製造を担当、アジア最大手の研究用試薬メーカーです。

既に新型コロナ陽性の判定時間を従来の半分以下にできる試薬を、月間200万検体供給している。

東証一部で時価総額3,000億円規模、7年前の株価が実現すれば倍増期待の持てる銘柄です。

(4563)アンジェスのプロジェクトですが、既に株価が4倍の水準につき、投資の目線ではお勧めしません。

(2372)アイロムグループ

子会社IDファーマが、国立感染症研究所エイズ研究センターとワクチン開発に着手しました。

東証一部だが時価総額230億円規模と小型株で、売買高に要注意ながら倍増が期待できる銘柄です。

アフターコロナでホットな業界

投資でアフターコロナを考える時には、1番ホットな業界を狙うことが肝心です。

今後、医薬品業界への投資を検討する際は、次の順番で関連銘柄を探していきましょう。

STEP1 既存薬転用で恩恵を受ける企業:(2) 、(3) の企業が複数出てくると株価の上昇傾向は終わります。

STEP2 ワクチン開発を発表した企業:開発プロジェクトに関わる企業も狙い目、中小型株が中心です。

STEP3 特効薬の治験を始めた企業:現在臨床試験まで進んでいる企業のうち治験まで進むと有望、資金力のある大型株が中心です。

とにかく早い時期にコロナ禍が終息することを願い、その事業を助けると思って医薬品株に投資してみてはいかがでしょうか。