医療保険やがん保険の中で、女性特有の病気を保障する保険や特約が数多く販売されています。
保障内容は、多くの場合で女性特有の病気になった場合に、保険金が上乗せされるというものです。
ではなぜ、女性専用の保険が販売されているのでしょうか。
ここでは女性専用の保険が販売されている背景や理由について解説していきます。
目次
女性特有の臓器に病気が発生しやすい
女性保険や女性疾病特約がある理由は、女性だけが持っている臓器で重い病気が発症するケースがあるからです。
女性特有の病気には、以下のようなものがあります。
● 乳がん
・ 子宮がん、子宮筋腫
・ 卵巣がん、卵巣のう腫
・ 帝王切開、切迫早産 など
このように女性特有の臓器である乳房や子宮、卵巣においてがんなどの病気が発症する可能性があります。
中でも乳がんは、女性のがん罹患数において第1位、死亡数は第5位と、がんの中でも罹患率や死亡率が高いです。
≪画像元:国立がん研究センター(pdf)≫
さらに子宮がんや卵巣がんなど、女性特有の臓器ではさまざまながんが発症する可能性があります。
がんは、症状が進行していた場合、入院や手術だけでなく放射線治療や抗がん剤治療などの専門治療が行われます。
そのためがんは、治療期間が長期にわたることもあり、高額療養費制度を利用したとしても、多額の医療費を自己負担しなければならないケースもある病気です。
また、乳がんの手術で乳房を切除した場合、乳房再建手術を受けられる方もいらっしゃいます。
加えてがんに罹患した場合は、抗がん剤治療で髪の毛が抜けてしまったときのためにウィッグを作成する人も珍しくありません。
このように女性は、女性特有の臓器において重い病気にかかったり、費用が膨れ上がったりする可能性があるため、女性特有の保険や特約が販売されています。
入院時のプライバシーを気にする女性が多い
女性が入院したとき、プライバシーを気にして個室部屋を選ぶ場合があります。
個室に入院する場合、病院側が指定した場合を除いて「差額ベッド代」が発生します。
差額ベッド代は、健康保険が利用できず全額自己負担です。
例えば1人部屋を希望し、毎日7,000円の差額ベッド代が発生した場合は、5日の入院で3万5,000円の自己負担です。
治療費の自己負担分に差額ベッド代が上乗せされるため、個室を希望した場合は多くのお金が必要になる場合があります。
女性特約を付加するかどうかは慎重に判断を
このように女性は、女性特有の臓器に重い病気にかかりやすいだけでなく、費用も大きくなる可能性があるため、女性特有の病気を保障する保険や特約が販売されています。
しかし女性だからといって、女性保険や女性疾病特約が必須なわけではありません。
通常の医療保険やがん保険でも女性特有の疾患を保障してくれるからです。
また、女性特約を付加すると保険料負担が増えます。
一方で単に医療保険やがん保険を手厚くするよりも、女性保険を選んだり女性疾病特約を付加したりした方が、女性特有の病気に対する保障をピンポイントで手厚くでき保険料負担も抑えられます。
女性保険や女性疾病特約に加入する場合は、本当に自分にとって必要なのかをよく考えたうえで加入しましょう。