「年金って入ってる?」
このように友人から聞かれたことはありませんか。
ここでいう年金とは、国の年金である厚生年金や国民年金ではなく、民間の保険会社などで販売している個人年金保険のことです。
目次
個人年金保険とは
個人年金保険とは、私的年金の1つで、毎月保険料を払い込みそれをもとに受け取り開始の年齢から年金を受け取るものです。
払い込み中に亡くなった場合は、それまでに払い込んだ分が遺族に死亡給付金として支払われます。
この部分があるので「保険」といわれます。
目的は主に老後資金の準備ですが、個人年金保険料控除という節税効果もあるので、低金利の今は銀行で貯金するよりも良いと加入する人も多いようです。
個人年金保険のメリット・デメリット
ある保険会社の個人年金保険を例に考えてみましょう。
メリット
30歳の女性が65歳まで毎月保険料を払い込み65歳から10年間年金を受け取ると、配当金を含み返礼率は約130%となります。
その上、毎年税金の負担が軽減できるということであれば、「1本は入っておいたほうがいいよね…」となるかもしれません。
また、老後資金を半強制的に貯められるという点もメリットといえるでしょう。
デメリット
一方で、途中で解約した場合は元本割れをしてしまうというデメリットがあります。
他にも、インフレのリスクにも対応できません。
35年後の増加額
この保険に入ったとして、35年後にはいったいどのくらい増えているのでしょうか。
先ほどの例ですと、30歳から35年間払い続けて約1.3倍になります。
35年払い続けても、不確定要素の配当を含んで約1.3倍にしかなりません。
配当を除くとたったの約1.06倍です。
最近耳にすることも多いつみたてNISAやiDeCoのほうが増える可能性は十分あると思います。
基本的に保険は国債で運用されています。
つみたてNISAやiDeCoは投資信託などでも運用できるので、これも確定ではありませんが、もし利回りが3%であれば増え方は1.3倍どころではないでしょう。
保険と積立投資で増える額を比較
個人年金保険と積立投資でどのくらいお金を増やせるのか、それぞれ具体的な数字で見てみましょう。
個人年金保険の場合
毎月1万円を35年間払うと、総額420万円になります。
1.3倍だと546万円です。
積立投資の場合
同じ1万円を35年間複利3%で運用できたとしましょう。
楽天証券の積立かんたんシミュレーションを使って計算すると、約741万円に増えます。
投資信託などで運用するので、確実に増えるとは断言できません。
あくまでも自己責任での加入になります。
個人年金保険は必要か
一概に「個人年金保険は良い」とはいえません。
これから老後資金を貯めようという人は、安易に個人年金保険に入るのではなく、
・ 何歳までにいくら貯めるのかという目的を明確に持つ
・ 国の老齢年金からの自分の受給予定額を確認する
という2点を踏まえた上で、よく考えて準備することをおすすめします。