【医療保険の先進医療特約】「終身タイプ」or「10年更新タイプ」どちらを選ぶ? 特徴と注意点を解説

 
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最近の医療保険に加入する際は、必ずと言っていいほど「先進医療特約」をセットにして検討されることが多いでしょう。

先進医療とは厚生労働省が認めている最先端の治療です。

健康保険が適用とならず全額が自己負担となってしまうため、どこの保険会社も「かかった技術代を特約から1,000万円、2,000万円まで保障します」というようにして医療保険にセットで販売しています。

一見、どこも同じような保障内容に感じますが、実は先進医療特約は保険会社によって大きく2つのタイプに分かれています。

目次

先進医療特約の2つのタイプ

先進医療特約は大きく「終身タイプ」と「更新タイプ」の2つに分けられます。

(1) 「終身タイプ」:
その名の通り、保険の契約期間中に特約の更新がありません

(2) 「更新タイプ」:
主契約の医療保障が更新のない終身契約だったとしても、10年ごとに更新が入ります。

「更新タイプ」は保険料が不利になるのか

保険の仕組みに詳しい方であれば、更新型の先進医療特約なら10年後の更新時に年齢を重ねた分、保険料が上がってしまうのではないかと心配されて、「終身タイプ」の先進医療の方がよいのではないかと考えるかもしれません。

しかし、後に年間の実施件数なども紹介しますが、先進医療自体は皆さんが思っている程あまり利用しないものです。

実は先進医療特約は加入する年齢によって保険料はそこまで変わらず、何歳でも月に100円程度で加入することができます。

【アフラックの場合の年齢別の先進医療特約の保険料】
30歳:103円
40歳:106円
50歳:113円

≪画像元:Aflac Life Insurance Japan

また、特約ではありませんが、SOMPOひまわり生命は、先進医療だけの保障がメインの先進医療保険「リンククロス コインズ」を出しています。

こちらは年齢も性別も関係なく保険料は一定です。

≪画像元:SOMPOひまわり生命保険

ということで、先進医療の保険料への年齢による影響は今のところはそこまでありません。

「それだったら、別に「終身タイプ」でも「更新タイプ」でもいいのかな」

と思うかもしれませんが、近年の先進医療特約の様子を見ていると少し注意が必要です。

「更新タイプ」は保障内容が改悪されるのか

「更新タイプ」の場合でも保障内容は10年間一定ですが、10年後の更新後に同じ保障内容で更新されるかどうかはわかりません。

実際に、先ほど紹介したSOMPOひまわり生命の先進医療保険「リンククロス コインズ」でも、これまでは保障の対象となっていた先進医療の白内障治療のうち多焦点レンズという治療を受けた場合は、昨年(2018年)9月から保障の対象外となりました。

実は、この白内障の多焦点レンズの治療は約65万円の費用が掛かるうえに、現在の先進医療の中でも他と比べて特に治療を受ける件数はダントツで多いです。

≪画像元:公益財団法人 生命保険文化センター

※ページの下から2番目の表を参考にしています。

先進医療特約は利用する人があまりいないので、安い保険料で大きな保障をカバーすることができるのですが、これだけの支払が発生するとなると保険会社も採算が合わないということになるのでしょう。

この多焦点レンズの治療を支払の対象外としている他の保険はまだ少ないのですが、これから保障内容や保険料の見直しがされる可能性もゼロではありません。

「終身タイプ」の先進医療の方がよい3つの理由

医療保険は本来は入院や手術の保障がメインなので、先進医療特約で判断すべきではありません。

ただ、あえて先進医療特約が「終身タイプ」か「更新(定期)タイプ」のどちらがよいかというと、やはり「終身タイプ」の方がよいでしょう。

その理由は以下の3つです。

1. 保障がずっと変わらない

2. 保険料が変わらない

3. 改良されれば特約を解約し中途付加して新しくできる

最初の契約時に「終身タイプ」で先進医療特約を付けていた場合であれば、万が一その会社の販売する医療保険の先進医療特約が改悪されたとしても、既に契約していた分まで改悪されることはないので心配いりません。

また、先進医療の種類というのは年々見直されていくので、反対に先進医療特約の内容がよくなるということも考えられます。

このような際には、先進医療特約のみ解約して、新たに改良された先進医療特約を中途付加できる場合もあります。

ただし、中途付加ができない保険会社もあるので、事前に中途付加ができるかは確認が必要です。

先進医療特約は医療保険選びの材料の1つ

今回は先進医療特約の2つのタイプについてご紹介しました。

将来日本の先進医療や保険会社の対応が、どのように変わっていくのはというのは正直分かりませんので、医療保険を選ぶ際のあくまでも1つの参考にして、本当に優先すべき保障を中心に検討されるようにしてください。